第一部 邦楽協奏
後三年記秘抄
大地の女
和楽器と語りの魅力を十分に堪能できる楽曲です。生き様を肯定し、鎮魂の役割を持つ薩摩琵琶、仏教の普及に使われた尺八による和楽器と語りの編成です。
１０８３〜１０８７年、出羽国、秋田県横手市を戦場にした出羽・陸奥をめぐる清原清衝と清原家衝の内紛に対して、清和源家 陸奥守・源義家が介入したことで始まった「後三年の役」。 その顛末を記した「奥州後三年記」を原案に、清原清衝・家衝の母親の視点で、清和源家の侵略の犠牲となった、安倍一族、清原一族、平家一族と源義経の悲劇、侵略によって生じた災禍を受けた清和源家の業を「余殃（よおう）」とし、後三年の役で、和平を求め奔走し、その後、慶長７年（1602年）に仙北に転封し、秋田県の繁栄の礎を築いた、源義光の後裔・佐竹義宣とその一族・家臣、出羽の人々が「余殃（よおう）」を乗り越え「余慶（よけい）」としてこの1000年を、和楽器を中心に表現します。
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馬場鶴生
薩摩琵琶、パーカッション
1956年東京生まれ。ジャズドラマー、パーカッショ二スト、薩摩琵琶奏者として、ジャズ・邦楽のライブの他モダンダンス・舞踏・歌舞伎・詩の朗読・演劇・語り芝居・現代美術等の舞台音楽に音の提供を続け、国内外での演奏活動を続けている。
ジャズドラムを日野元彦、薩摩琵琶を鶴田錦史に師事。鈴木宏昌トリオ等を経て１1988年頃よりは、金井英人ユニット、仲野真世トリオのドラマーを務める。
CD多数。パーカッショ二ストとして、あるいは琵琶と打楽器の組み合わせで、澤村藤十郎・杵屋勝国による歌舞伎「耳なし芳一」「娘道成寺」「俊寛」、地主律子ダンス公演「炎の花」、遊行座公演「てるて姫伝説」
中川鶴女「善知鳥」松坂慶子「天守物語」、浅利香津 代「女優と人形ー曽根崎心中」、岸田今日子「ビリチスの歌」、吉岡しげみ「岡本かの子の世界」、滑川五郎「フラヌール」、詩誌・焔「詩と音楽」、内海信彦「ライブペインティング」…等々の舞台に参加共演。川崎市在住。AB型。
東の宮美智子 語り
女優 オンシアター自由劇場を経て、横浜ボートシアターの創立メンバーとなり、同劇場の仮面劇「小栗判官・照手姫」他の主演女優として、日本各地・英・米・香港などで公演。
現在≪遊行座―ゆぎょうざ≫を主宰し、説経「おぐり」より『てるて姫伝説』・説経「さんせう大夫」より『安寿恋しや』など、≪説経≫を原文のままで〔語り芝居〕にして、作品ゆかりの地で公演している。
浅草の軽演劇や、池波正太郎『蕎麦切りおその』泉鏡花『滝の白糸』の朗読、劇団うろのひびきと共に、大叙事
詩の仮面劇など、さまざまなジャンルに挑戦中。また、古典中心の語りの教室を各地で開催し、語りの楽しさを伝えている。現在は、説経『くずの葉』に取り組んでいる。
三浦龍畝 尺八
秋田市出身。10代半ばから琴古流・大瀬昇雲氏に師事。尺八演奏と尺八製管の研究を始める。
その後、横山蘭畝氏並びに世界的奏者・横山勝也氏に師事。古典から現代曲までの尺八演奏のほか、現代を代表する銘器「龍畝管」の製作者として国際的に知られている。
海外での演奏活動並びに製管の講習会でも活躍。令和2年度秋田県芸術文化章受章。秋田県三曲連盟副会長、元弘前大学教育学部非常勤講師、吹禪尺八道・竹龍舘主宰。
菊地奈緒子 筝 語り
沢井忠夫師、沢井一恵師、地歌三弦を横田延子師に師事。 2007年 文化庁 新進芸術家海外留学制度研修生として、ドイツ、フランクフルトのIEMA(インターナショ ナル アンサンブルモデルンアカデミー)に在籍。現代音楽のアンサンブルを研修。その後ドイツに活動拠点を置く。
ベルリンフィル教育プロジェクト、フレディ・マーキ ュリー/モンセラート・カバリェ “バルセロナスペシャルエディション”のレコーディング、無声映画”狂った一頁”(衣笠貞之助監督、ジーン・コールマン作曲)、ラインマインバレエ”b.20 Deep Field”(2014) “b.33 Roses of shadow”(2017/18)(アドリアー ナ・ホルツキー作曲)など演奏活動は多岐に渡る。
アジアゴフェスティバル(伊)、クロスサウンドフェスティバル(米)、ベルリン3月音楽祭、モンテカルロ芸術の春フェスティバル、モーツアルトサマーフェスティバル(独)バーレーン春の芸術祭など各国の音楽祭にて演奏。
AsianArt Ensemble ,kyoto mon Amour, Trickster Orchestra メンバー。
土田 卓 コントラバス
桐朋学園大学に学び、現在静岡県内を拠点に全国各地で演奏している。
古典から現代、自作曲まで、さまざまな音楽をコントラバス1本で紡いで
ダンス、ヨガ、ライブペイント、演劇など異ジャンルとのコラボも多数。
日本酒を愛し、日本酒ナビゲーターとしての顔も持つ。富士宮市在住。